飲食店経営では、業務用冷凍庫の老朽化や店舗移転などを理由に廃棄を検討されるケースも多いのではないでしょうか。
大型で重量もある業務用冷凍庫の処分は、家庭用冷凍庫とは異なり、手順や費用、選択肢も多岐に渡ります。
適切な方法を選ばなければ、思わぬ時間と費用がかかる可能性も。

そこで今回は、業務用冷凍庫の賢い処分方法を、いくつかの選択肢を比較検討しながらご紹介します。
廃棄にかかる費用や手続きについても解説しますので、最適な処分方法選びの参考にしてください。

業務用冷凍庫の処分方法

不用品回収サービスへの依頼

業務用冷凍庫は産業廃棄物に分類されるため、一般ゴミとして捨てることはできません。
不用品回収サービスに依頼するのが最も確実な方法です。
不用品回収サービスは、産業廃棄物処理の許可を取得しており、フロンガスなどの適切な処理も行います。

ただし、費用は他の方法に比べて高額になる傾向があります。
また、サービス選びは慎重に行うことが重要です。
悪質なサービスに依頼すると、不法投棄などのリスクもありますので注意が必要です。

買取サービスへの売却

状態の良い業務用冷凍庫であれば、買取サービスに売却することも可能です。
買取サービスは、厨房機器の専門サービスや中古機器販売サービスなどが該当します。
メーカーや機種、状態によって買取価格は大きく変動しますが、費用をかけずに処分できるだけでなく、売却益を得られる可能性もあります。

ただし、買取対象となるのは、正常に稼働する状態の良い冷凍庫に限られます。
古い機種や故障している冷凍庫は買取対象外となる場合が多いです。

買い替え時の引き取り

新しい業務用冷凍庫を購入する際に、古い冷凍庫を引き取ってもらうサービスを提供している販売店があります。
買い替えを検討している場合は、この方法が最も手軽で費用を抑えられる可能性があります。
ただし、全ての販売店が引き取りサービスを提供しているわけではなく、有料の場合もあります。
また、買い替えを予定していない場合は利用できません。

居抜き物件としての譲渡

店舗を閉店する際に、業務用冷凍庫を次のテナントに譲渡する方法もあります。
厨房設備一式をまとめて譲渡することで、物件の価値を高め、売却価格に反映させることが期待できます。
次のテナントにとっても、初期費用を抑えられるメリットがあります。
ただし、譲渡相手が見つかるかどうかは不確定であり、交渉が必要となります。

その他処分方法

上記以外にも、自治体の処理場への直接持ち込みが可能な場合もあります。
ただし、フロンガス処理の対応や、搬送手段の確保など、いくつかの条件を満たす必要があります。
自治体のホームページなどで確認が必要です。

処分費用と手続き費用

不用品回収サービスの費用

費用は冷凍庫のサイズや種類、搬出状況などによって大きく変動します。
数万円から数十万円かかる場合もあります。
事前に見積もりを確認しましょう。

買取サービスの費用

買取の場合は、処分費用はかかりません。
むしろ、買取価格に応じて収入を得られる可能性があります。
ただし、出張費などが発生する場合があります。

買い替え時の費用

買い替え時の引き取りは、無料の場合と有料の場合があります。
有料の場合は、数千円から数万円程度が相場です。

手続きに必要な書類

不用品回収サービスや買取サービスへの依頼時には、契約書や見積書などの書類が必要です。
また、フロンガスを含む冷凍庫の処分には、フロン排出抑制法に基づく手続きが必要となる場合があります。

メリット・デメリット比較

各方法のメリット比較

不用品回収サービスは確実に処分できます。
買取サービスは費用が無料、または売却益を得られます。
買い替え時は手軽で費用を抑えられます。
居抜き譲渡は費用が無料、物件の価値を高められます。

各方法のデメリット比較

不用品回収サービスは費用が比較的高額です。
買取サービスは買取対象外となる可能性があります。
買い替え時は買い替えが前提です。
居抜き譲渡は譲渡相手が見つからない可能性があります。

家庭用冷凍庫との違い

家庭用冷凍庫は家電リサイクル法の対象となりますが、業務用冷凍庫は産業廃棄物として扱われ、処分方法や費用、手続きが大きく異なります。
家庭用冷凍庫は比較的安価に処分できますが、業務用冷凍庫は高額な費用がかかる場合があります。

まとめ

業務用冷凍庫の処分方法は、不用品回収サービスへの依頼、買取サービスへの売却、買い替え時の引き取り、居抜き物件としての譲渡など、様々な選択肢があります。
それぞれの方法にはメリット・デメリットがあり、費用や手続きも異なります。
最適な方法を選択するには、冷凍庫の状態、予算、時間的な余裕などを考慮し、慎重な検討が必要です。
特にフロンガスを含む冷凍庫は、適切な処理を行うことが法律で義務付けられているため、専門サービスへの依頼が不可欠です。

廃棄費用を抑えたい場合は、買取サービスへの売却や買い替え時の引き取りなどを検討するのも良いでしょう。
しかし、状態やタイミングによっては難しい場合もありますので、自社にとって最適な方法を見つけることが重要です。

当社では、古物買取事業の知識を生かして産業廃棄物の収集運搬を行っています。
業務用冷凍庫の処分・買取をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。